ヘビメタバンド「アイアン☆ニス」に
あの頑固者、ギターのM木を参加させるのにも
かなりの説得を要したが
なんとか彼を説き伏せ
M木が加入することになった。
ボーカル リューキン
ベース ヤマジュン
ドラム 僕
ギター M木
ギター アキラ
「蘭丸団+グランドクロス」の面々、
それにアキラを加えた形の
ヘビメタバンド「アイアン☆ニス」は
長崎桜町にあるNBCビデオホールでのライブを控え、練習に励んだ。
曲練習
課題曲は
初代のアイアンメイデン
「鋼鉄の処女」「キラーズ」のアルバムから選曲された。
モルグ街の殺人、パーガトリー、ラスチャイルド、ランニングフリー、オペラの怪人、他
16ビートのハイハットは両手で交互に叩くのが普通だが
初代アイアンメイデンのドラマー、クライブバーは「ラスチャイルド」の16ビートの速さを片手で叩いたり、
タムの回しも凄まじく速いので
昼の部レストランメルシーで出前兼調理終わったあと
15時から2時間くらい営業前のキャバレーミナミに行って、生のドラムセットで集中練習させてもらった。
それからまたメルシーに戻り夜の部。
メルシー閉店したら再びキャバレーミナミへ行きボウヤ。
休みの日以外は、
午前11時から深夜0時まで13時間ビッチリ動き回った。
マンドンさん現る
そんなハードスケジュールの毎日の中、
この日もミナミが終わるのは深夜0時過ぎ。
さて帰るか…と
ネオンがまだまだ明るい思案橋通りを歩いてると
「よお!」
ある人と偶然バッタリ出会った。
その人とは、
我らが田中荘を「エ〜ビバ〜ディバンド♪」と
真夜中にドラムを叩き襲撃に来るヤマジュンの先輩、
ギャングコンビ「ゴン&ガマン」のガマンの方、
通称「マンドンさん」だった。
マンドンさんは思案橋の奥の丸山の方にある「クラブうるわし」で働いていた。
黒服を着て
「ありがとうございます、クラブうるわしでございます」と
ボーイ業を若くからやっている彼は
クラブ、キャバレー関係の業界に精通し、
おみずの世界の酸いも甘いも嗅ぎわける男であった。
その彼と
深夜の思案橋通りでバッタリ会ったついでに
「呑み行こや〜」と
なったのが運のつき・・
その日からほとんど毎日、
ミナミ終わったら僕は
【呑み】に付き合わされた(汗)
エンドレス・ループ
13時間フル稼動した後に【呑み】は少々きつかったが
最初のうちは楽しかった。
が、
この人は
【呑むために生まれた人】。
【呑みの帝王】。
【エンペラー・マンドン】と
気づいた時には
もうすでに遅し。
毎夜、ミナミの楽屋裏口から僕が帰るのを楽しみに出待ちしていた(汗)
僕もエンペラーから可愛がられる何かしらの要素をもっていたのかもしれない。
僕と呑むのが楽しいと言うのだ。
でもそこは、この<フル稼動13時間+呑み>のエンドレスループに陥る前に
今日こそは断ろう!と思ってても
出待ちしている寅さん似のエンペラーの笑顔を見ると
期待を裏切るのが心苦しくなるのだ。
毎夜の呑みは結局いつものように続くのだが
ある日、エンペラーに連れていってもらったのが、
西日本最大の
マンモスキャバレー
【ニュー桃太郎】だった。
to be continued・・