回顧ヒストリー22 〜マンモス・キャバレー〜

(注:上の写真は現在の桃太郎です)

 

 

 

当時は僕が20歳位の時だから

1983年頃、

岡山を拠点に

紳士の社交場キャバレーをチェーン展開し

<西日本最大のマンモスキャバレー>

と、自信を持って謳っていた森川観光グループ。

 

その森川観光グループが演出するマンモスキャバレー【ニュー桃太郎】は

その謳い文句通り、きらびやかでド派手な世界だった。

 

 

 

 

ひょんな事からある日、僕は呑みの帝王「エンペラー・マンドン」さんに誘われ、キャバレーニュー桃太郎へとお付き合いさせてもらう事になった。

 

キャバレー・ニュー桃太郎

 

キャバレーというのは、ボウヤとしてステージの袖から観ることはあっても

客としては行くのは初めての体験だった。

なんだか豪華客船の旅にでも行くかのようだ。

とてつもなくワクワクしながら「エンペラー・マンドン号」の大船に乗った気持ちで、キャバレー入口へと階段を登るマンドンさんについていった。

 

 

自動扉が開くと、音楽とタバコの匂いと共にザワザワとした活気が伝わってくる。

ムーディーな照明の店内へ入り、回りを見渡すと

300人程収容できる場内はほとんど満席。

ソファーに座っているのは、ざっと見たところサラリーマン風な男や若い男、他、長崎の街らしく船乗りさんぽい人達が多い印象だ。

案内へ来たホールマネージャーは、マンドンさんの顔見知り。

さすがは、おみずの業界人

「エンペラー・マンドン」の威厳を覗かせる。

思案橋通りを歩きゃ「呑みの帝王」としていろんな人から声を掛けられ気を良くするマンドンさんは、

ここに来ても鼻高々にアニキ面をし

「かつのし〜ん」と、

僕に向ける【ドヤ顔】が絶えない。

 

席まで案内される間、僕はフロアの様子を興味深く観察していた。

 

お客さんの隣に座るドレスを着たホステスさん(現在はコンパニオンと呼ぶ)は、

お酌をしたり、少なくなりかけの水割りを作ったり、煙草に火をつけたり。

接客している光景はいつも見ている「キャバレーミナミ」となんら変わりはなかったが

全体的なパッと見の雰囲気は

キャバレーミナミの【ヤング版】

という第一印象を受けた。

 

 

 

 

まずライト(照明)関係が目をひいた。

ソファーの並ぶフロアの奥にはドーンとデッカいステージが構えている。

真ん中が階段になっている3段のひな壇ステージ。

ネオン管が所々に散りばめられ、

音楽とシンクロして赤、青、緑、オレンジの光が動き回る。

スローになるとブラックライトが灯りミラーボールの光がゆっくりと場内を包み込む。

 

音と光の司令塔はどうやら2階にある照明室のようだ。

お客さんを夢の世界へといざなうライトの演出がキャバレーミナミよりも断然豊富だった。

 

ステージは1階からも2階からも観れるようになっている。

 

写真はイメージです。

 

 

僕とマンドンさんは1階と2階を繋ぐイルミネーションの螺旋階段を登り

2階のソファーへと案内された。

 

 

 

 

 

2階も賑わっているなー・・

300人収容できる「ニュー桃太郎」がほとんど満席なのも理解できる気がしてきた。

TVのローカルCMでも「ニューモモタロウ〜♪」とガンガン宣伝してるし、

ホステスさんも若い娘多いし。

 

 

 

 

すると場内が一転、暗くなり

大音量のイントロと共に緞帳が開く。

ステージから登場したのは桃太郎の女性専属歌手だ。

 

酔っぱらっちゃったフリしてい〜るわ〜♪

 

照明室から流す大音量のオケで歌いだした。

その音響の良さとデカさにも驚いた。

 

だが、何故バンドで歌わないのだろう?

 

キャバレーミナミでは「香地邦彦とファンキーナイツ」という専属のフルバンド(BIGバンド)がいて、

専属歌手もそのフルバンドをバックに歌っていたのだが、、

 

???

 

 

そこへ、疑問を遮るように

 

「はじめまして〜ルミでーす、サリーでーす!」

 

キラキラしたドレスの同年代くらいの若い2人の娘が僕とマンドンさんの隣に来た。

僕らのテンションは更に上がったのは言うまでもなく

僕はエンペラー・マンドンさんにウィンクで感謝の合図を投げかけ

寅さん似のマンドンさんは嬉しそうな笑顔で

「かつのし〜ん」と言わんばかりに目が更に細くなり

超ハッピー&ゴキゲンな夜に四人はカンパイした。

 

 

このマンモスキャバレー【ニュー桃太郎】に僕は

今通っているキャバレーミナミにない【なにか計り知れない新しさ】を感じ始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・

 

 

 

 

 

 

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