ギラギラと光り蠢くネオンとは対照的に
見上げた空は今にも降り出してきそうな
どんよりとした夜の思案橋。
やがてゆっくりと降り出した雨は石畳の地面を濡らしてゆく。
僕は会ってくれなくなっていたあの娘に、なんとか待ち合わせをとりつけ
指定した場所へ足早に歩きながら、傘をひろげた。
待ち合わせたお店へ着いてどれくらい経っただろうか・・
あの娘はいっこうに現れない。
時計ばかり何度も何度も眺めるが
あの娘は来ない。
連絡もとれない。
もう来る気配すらない。
悲しすぎるが、
つらすぎるが、、
それが彼女からの「答え」だったのだろう。
ポッカリと空いている向かいの席に、あの娘の姿を重ねる。
しだいに強く雨を打つ窓辺に、あの娘の面影を浮かべる。
胸が引き裂かれる思いだった。
切なくて切なくてたまらなかったが
これでもう本当に、
彼女との事は終わりにしないといけないと思った。
これで終わりにしようと思ったら
涙がとめどなく溢れてきた。
あの娘が来ないお店を出て
容赦なくどしゃ降りへと変わる夜の街を
ひとり傘もささず
彼女との思い出を洗い流すかのように
びしょ濡れに
涙まみれに
ぐしょぐしょになって
泣きながら歩いた。
♪降りしきる雨の中 傘もささず歩く
光る 銀の炎 やけに目にしみる
さよならも言わずに 背を向けた俺
見たくなかったのさ 熱く滲むお前の顔
今すぐにでも駆け戻り 強く 強く 抱きしめたい
CLIMAX CLIMAX CLIMAX Only you
この胸のときめきが俺を狂わせる
今すぐにでも駆け戻り 強く 強く 抱きしめたい
CLIMAX CLIMAX CLIMAX Only you
雨に流したはずの 苦い思い出
にじみ浮かぶ まぼろし 俺を狂わせる
CLIMAX ♪
(クライマックス by クールス )
しばらくして「横道坊主」はキャバレーニューモモタローをクビになった。
お店側から理由は言わなかったが、
掛け持ち演奏もよくは思ってなかったろうし
なんといっても、店の商品に手を出した当然の報いだろう。
無警戒で鈍感な僕のせいで
5人のナイスガイ達の甘くも切ない「キャバレーとバラの日々」は、ついに幕を閉じる事になったのだった。
それからの横道坊主はオリジナルをバンバン作り
数々のコンテストに出場し、全国大会へ選ばれたり
長崎市民会館でのワンマンライブを超満員で埋め
真の(笑)「長崎一のバンド」になり
灰色の福岡で誓ったリベンジも果し
ホントの快進撃が始まるのでした。
キャバレーあがりのバンドが東を目指し、メジャーへと駆け登ることになるのです。
しかし、キャバレー時代以降の事は事細かに覚えてません。
それくらい、このキャバレーモモタロー時代の事は
鮮烈に覚えているので書かせてもらいましたし
義人曰く「ホント、キャバレー時代の事、映画にしてみたかよな〜」
と、言わしめるほど
若かった僕らにはホントーに強烈な体験でした。
最後は恋の話になってしまいましたが・・(汗)
この回顧ヒストリー、誠に勝手ながらいったん最終回とさせて頂きます。
それ以後の歴史をあまり覚えてないというか、回顧できないというのもありまして。。(アセアセ)
つい先日の話、
昭和の時代からつい先日まで長年営業していたそのキャバレーモモタローが
2018年3月31日をもちまして、ついにピリオドを迎えてしまいました。
僕らの青春にスポットライトをあててくれたモモタロー。
「5人のナイスガイが贈るエキサイティングなステージ!」と盛り上げ迎えてくれたモモタロー。
いろんな経験を積ませていただいたキャバレーモモタローには感謝しきれないくらいの想いでいっぱいです。
「音と光のシャワー」をテーマに打ちたてていたキャバレーのネオンが消える・・
ぼくらの青春、いや、人生のひとつのネオンが消える・・
キャバレーニュー桃太郎
「さらば青春の光」
の言葉を持って長年の功績を讃えたいと思います。
長年お疲れ様でした。そして本当に心からありがとうございました!
ここで回顧ヒストリーはいったんお開きとさせていただきます。
続く横道坊主ヒストリーは
タンゲこと堀川タンゲのFacebookに投稿されている【横道坊主物語】でお楽しみください。
Facebook堀川タンゲの2014年10月~2015年2月くらいを検索すれば【横道坊主物語】出てくると思います。
ではでは、宴もたけなわですが
このへんでお開きの時間となりました。
また時間と気力があったら
別のヒストリー
なにか書くかもしれません。。
それまでみなさん、ごきげんよう!
それでは
長い回にわたり、読んでいただきありがとうございました!
THE END