回顧ヒストリー35 背徳の恋

 

 

 

 

 

 

 

♪あの娘のレター 泣いてるレター

涙がにじんでる ひとりでこの街出るなんて

誰にも告げず〜

Ah 俺の愛は あの娘と消えちまう

Ah もう一度 君に会いたい〜♪

 

 

初のオリジナル曲【ラストレター】も大好評で人気は絶好調!

 

連日連夜、超満員のマンモスキャバレーニューモモタローがお贈りするエンターテイメントショータイム

横道坊主のステージは爆裂的に盛り上がった。

 

 

写真はイメージです

 

 

いつしか女性のお客様までもが

この紳士の社交場キャバレーニューモモタローへ来店される事もよく見かけるようになり

ナイスガイの僕たち目当てで指名されることもままあった。

 

 

 

 

指名された客席のソファーに座り、お客様から頂いたビールを乾杯。

「今日はいらしてくれてありがとうございます!」

 

「ラストレターよかったよ」

 

「ありがとうー!今、第2弾のオリジナルを今井が創りよってそろそろ完成する頃やけん、楽しみにしててー」

 

 

 

写真はイメージです

 

 

お客様と客席で話しながらも

サングラスの奥の目は

彼女を探していた。

 

 

 

 

 

いた。

 

 

団体様のお相手をしている。

今話してるお客様とホールに目を配らせているマネージャーにわからないように

「サングラスを外すとつぶらな瞳♪」をこっそりやって彼女にウィンクを送った。

 

そんな時にも気がついてくれ、ニコッと返してくれる。

 

このニコっとする顔が、連日連夜この社交場を訪れるお客を惹きつけてやまないのだろう。

 

指名ナンバーワンたるオーラ漂わす女神のように神々しい笑顔

坂口良子かあべ静江似の同じ年の彼女

スラッとモデルさんのような容姿

そしてどこか小悪魔的な彼女に

僕は完全無欠に魅せられていた。

 

 

 

 

 

 

♪胸に残る 愛しい人よ

飲み明かしてた懐かしい時

秋が恋を切なくすれば

ひとり身のキャンパス 涙のチャペル

Ah もう あの頃の事は夢の中に

知らぬ間に遠く years go by ♪

 

今夜の演奏するラストソングはサザンオールスターズの「Yaya〜あの時代を忘れない」

 

暗いフロアにミラーボールの光だけがゆっくりと回る。

 

義人のザラザラしてるがどこか切なく甘い声がチークダンスをする男女を優しく包んだ。

 

最終ステージのラスト曲が終わりに近づくにつれ

僕の胸のトキメキは加速していく。

 

 

「もうすぐ逢える。。」

 

 

この頃になると彼女と何回か食事を重ねていた。

店が終わるとメシ食いに行く約束をしていた。

 

 

モモタローの目を盗み、二人はおちあった。

それはイケナイ事と知りつつも。

しだいに逢う時間を重ね、二人はとうとうイケナイ関係になってしまっていた。

 

彼女はモモタローの指名ナンバーワン。

お店にとってみれば、大事な商品だ。

 

「商品に手を出すな」が鉄の掟のこの世界。

 

だが、この気持ちは抑えることが出来なかった。

 

頭の中はいつもあの娘の事でいっぱい

 

初めての本気の恋だった。

 

 

 

 

ここのモモタローでバンドで仕事させてもらっているのに

不義理で

背徳の恋とわかりつつも

どうしようもなかった。

 

しかし、

それより以上に

立ち塞がる大きい背徳の壁があるのだった。

 

 

 

それは、、

彼女と

本気で付き合いたかったのだが

彼女には

 

 

彼氏がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

♪愛したいけど she belongs to him

恋はgood feeling I love her Oh yes

涙が止まらない 彼女は彼のもの

Oh 悲しい恋心

A lonely day again Oh no ♪

 

(by彼女は彼のもの  キャロル)

 

 

 

 

 

 

逢えないときは寂しかった。

というより辛かった。

頭の中はいつも彼女の事でいっぱいだった。

 

彼女はモデルのような容姿で

背の低い僕とは不釣り合いだとわかっていたけど、この気持ちは止められない。

 

他のメンバーもお店の女の子とヨロシクやってて

タンゲなんか自分もうまいことやってるくせに

「あの娘はやめとけ」と僕にうるさかったから

 

「ワイはなんでこの気持ちばわかってくれんとや!?」

 

と、その辺にあったマッチ箱をタンゲに投げつけた。

 

 

が、

 

 

ヒョイと軽くよけられ・・(汗)

 

 

 

 

 

さらに僕を激昂させることもたびたびだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・

 

 

 

 

 

 

 

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