♪あの娘のレター 泣いてるレター
涙がにじんでる ひとりでこの街出るなんて
誰にも告げず〜
Ah 俺の愛は あの娘と消えちまう
Ah もう一度 君に会いたい〜♪
初のオリジナル曲【ラストレター】も大好評で人気は絶好調!
連日連夜、超満員のマンモスキャバレーニューモモタローがお贈りするエンターテイメントショータイム
横道坊主のステージは爆裂的に盛り上がった。
写真はイメージです
いつしか女性のお客様までもが
この紳士の社交場キャバレーニューモモタローへ来店される事もよく見かけるようになり
ナイスガイの僕たち目当てで指名されることもままあった。
指名された客席のソファーに座り、お客様から頂いたビールを乾杯。
「今日はいらしてくれてありがとうございます!」
「ラストレターよかったよ」
「ありがとうー!今、第2弾のオリジナルを今井が創りよってそろそろ完成する頃やけん、楽しみにしててー」
写真はイメージです
お客様と客席で話しながらも
サングラスの奥の目は
彼女を探していた。
いた。
団体様のお相手をしている。
今話してるお客様とホールに目を配らせているマネージャーにわからないように
「サングラスを外すとつぶらな瞳♪」をこっそりやって彼女にウィンクを送った。
そんな時にも気がついてくれ、ニコッと返してくれる。
このニコっとする顔が、連日連夜この社交場を訪れるお客を惹きつけてやまないのだろう。
指名ナンバーワンたるオーラ漂わす女神のように神々しい笑顔
坂口良子かあべ静江似の同じ年の彼女
スラッとモデルさんのような容姿
そしてどこか小悪魔的な彼女に
僕は完全無欠に魅せられていた。
♪胸に残る 愛しい人よ
飲み明かしてた懐かしい時
秋が恋を切なくすれば
ひとり身のキャンパス 涙のチャペル
Ah もう あの頃の事は夢の中に
知らぬ間に遠く years go by ♪
今夜の演奏するラストソングはサザンオールスターズの「Yaya〜あの時代を忘れない」
暗いフロアにミラーボールの光だけがゆっくりと回る。
義人のザラザラしてるがどこか切なく甘い声がチークダンスをする男女を優しく包んだ。
最終ステージのラスト曲が終わりに近づくにつれ
僕の胸のトキメキは加速していく。
「もうすぐ逢える。。」
この頃になると彼女と何回か食事を重ねていた。
店が終わるとメシ食いに行く約束をしていた。
モモタローの目を盗み、二人はおちあった。
それはイケナイ事と知りつつも。
しだいに逢う時間を重ね、二人はとうとうイケナイ関係になってしまっていた。
彼女はモモタローの指名ナンバーワン。
お店にとってみれば、大事な商品だ。
「商品に手を出すな」が鉄の掟のこの世界。
だが、この気持ちは抑えることが出来なかった。
頭の中はいつもあの娘の事でいっぱい
初めての本気の恋だった。
ここのモモタローでバンドで仕事させてもらっているのに
不義理で
背徳の恋とわかりつつも
どうしようもなかった。
しかし、
それより以上に
立ち塞がる大きい背徳の壁があるのだった。
それは、、
彼女と
本気で付き合いたかったのだが
彼女には
彼氏がいた。
♪愛したいけど she belongs to him
恋はgood feeling I love her Oh yes
涙が止まらない 彼女は彼のもの
Oh 悲しい恋心
A lonely day again Oh no ♪
(by彼女は彼のもの キャロル)
逢えないときは寂しかった。
というより辛かった。
頭の中はいつも彼女の事でいっぱいだった。
彼女はモデルのような容姿で
背の低い僕とは不釣り合いだとわかっていたけど、この気持ちは止められない。
他のメンバーもお店の女の子とヨロシクやってて
タンゲなんか自分もうまいことやってるくせに
「あの娘はやめとけ」と僕にうるさかったから
「ワイはなんでこの気持ちばわかってくれんとや!?」
と、その辺にあったマッチ箱をタンゲに投げつけた。
が、
ヒョイと軽くよけられ・・(汗)
さらに僕を激昂させることもたびたびだった。
to be continued・・