回顧ヒストリー34 初オリジナル曲

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「さ、今宵もステージの上からは

5人のナイスガイがお贈りする

エキサイティングなステージを!

横道坊主!!」

 

 

カンカン カカココ ンカンカ カカコン

ダカダカ ダカダカ ドコドコ ドコドコ

 

ギュ〜ワーン キャーキャキャン キャーン♪

 

(さすらいのギター by ベンチャーズ)

 

ラテンぽいドラムイントロが炸裂し、速いエイトビートが走り出す。

それに重なるように日本人が好みそうなメロディを今井のギターが奏でる。

 

今宵のモモタローゴールデンタイムのショーは

ベンチャーズナンバー

「さすらいのギター」からスタートだ。

 

 

 

 

 

レパートリーも100曲近く増えた横道坊主のステージが始まるや

連日超満員のニューモモタロー

お客とコンパニオンは客席を立ち、手を取り合いながらダンスフロアに集結。

ショーはエキサイティングなダンシングタイムと化した。

 

 

 

 

僕ら横道坊主は連日6ステージ、ほとんど休みなしでステージに立った。

演奏できてギャラも頂ける場所があるのはホントにありがたかった。

 

矢沢も蒲田のキャバレーウラシマに出てたんだ。

そうさ、ビートルズでいえばキャバーンクラブ時代のようなもんさ。

ここから先、BIGになれるかもしれないチケットを掴んだんだ。

とにかくこれからさらに発展していくであろう横道ヒストリーにワクワクするばかりだった。

 

 

 

引く手あまたのナイスガイ

 

毎夜6ステージ終わり、客引けの時間になると

いつものようにテーブルに残った瓶ビールをラッパ吞みし、カラアゲやポテトをハイエナのように食らいつきながら

コンパニオンのオネーサマ方からのお呼びを待つようになっていた。

 

メンバー全員ハタチそこそこ。

若さみなぎるナイスガイ達が

うまいことやらないはずはなかった。

 

モモタロー終わるとオネーサマ方にお付き合いし

メシをゴチソウになり、朝まで呑むこともしょっちゅう。

 

タンゲなんかはいつのまにか専属歌手のRちゃんとヨロシクやっていたし

 

メンバー全員オネーサマ方から引く手あまたの人気者になっていた。

 

 

 

 

 

ナンバーワン

 

前日のお付き合いからの二日酔いも覚めやらぬまま、今夜もモモタローのステージに立っていた。

 

ステージとダンスフロアの明るさとは対照的に客席のソファーでは

ブラックライトと薄暗い照明の中でコンパニオンがお客さんにお酌をしたりしている。

ステージから見る客席はよく見えづらいが

あの娘だけはすぐにわかった。

 

さすがは指名No.1らしく、ルックスも可愛いくスラっとスレンダーな彼女は坂口良子かあべ静江似。

女王たるナンバーワンのオーラを漂わす。

その姿はいつしか僕の中で気になる存在になっていた。

 

フロアでお客さんと踊る彼女の姿、ステップを踏む姿も絵になっている。

ドレスというよりはハイセンスな衣装を纏いひときわ異彩を放つ。

綺麗な娘だし、僕なんかが絶対手が届きはしない存在。

そもそもお店のナンバーワン商品だし、手を出そうと考えるのはもってのほか、ご法度だ。

ていうか即クビ。

せっかく掴んだチャンスも水の泡と消えるのは間違いない。

 

そんなこたぁタブーだと頭ではわかりながらも

演奏中はほとんど彼女を見ていたのだろう。

 

その日はドラムに近い距離で、彼女はお客とチークを踊っていた。

 

そんな時、僕の視線を察したのか

こっちを振り向く彼女。

 

 

バチーンと目が合ってしまった。

 

 

 

するとまさかの!

 

 

 

「ニコッ」と笑顔が。。

 

 

 

 

脳天からイナズマが走った。

 

 

 

 

その100万ドルの夜景のようにキラキラキラっと輝く笑顔は✨

「映画トラック野郎」に出てくるマドンナ降臨の瞬間のように

僕の度肝を抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天にも登る気持ちだった。

その一日はテンション急上昇。

その一日はもうお客とチーク踊らせないようスローナンバーは外した。

 

 

 

 

 

そんなある日、今日も演奏前の準備でモモタロー裏口の鉄の階段を登ろうとしたら

偶然にも!出勤時の彼女にバッタリ会った。

 

ニコッとしてくれた。

 

夕方前でまだ明るい時間の彼女だったが

夜の彼女に勝るとも劣らない輝きを放っていた。

 

勇気を振り絞って言ってみた。

「あ、あのさ、今度さ、メシでも食いに行かん?」

 

 

そしたらニコッとして

 

「いいわよ」

 

その場で鼻血ドバーーッと飛び出すかなと思うくらい

テンションは急上昇。

その夜の演奏は、全曲テンポプラス15くらい速かったかもしれない。

 

 

 

 

初オリジナル曲

 

 

その頃になると

今井秀明作詞作曲

横道坊主の初のオリジナル

「ラストレター」が完成していた。

 

モモタローで早速演奏させてもらうと

メロディックでノリの良いこの曲はすぐに受け入れてくれ

フロアはダンシングMAX状態で応えてくれた。

 

 

 

♪あの娘のレター

泣いてるレター

涙で滲んでる

一人でこの街 出るなんて

誰にも告げず

 

 

Ah 俺の愛は あの娘と消えちまう〜

Ah もう一度 お前に会いたい♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・

 

 

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