回顧ヒストリー 31 初ステージ

 

 

 

 

「いよいよやね。」

 

 

閉じられた緞帳の内側で

 

 

 

ひな壇のステージの定位置に立った五人は顔を見合わせた。

 

 

 

照明室のDJブースからは

 

石田マネージャーから

テンポいい前フリが入る。

 

 

「今宵もニューモモタローご指名ご来店頂き誠にありがとうございます。」

 

 

 

「さ、ステージの上からは

 

5人のナイスガイがお贈りする

 

エキサイティングなステージを。」

 

 

 

 

横道坊主!!

 

 

 

 

 

 

バスドラムの四分打ちが響き

それに重なり

かき鳴らすギターイントロが

場内の空気を一変させる。

 

 

 

ギャラララ ララララ

ギャラララ ララララ

ギャラララ ギャラララ ギュワ〜ン♪

 

 

 

 

緞帳が開くと同時に

5人の若さみなぎるエキサイティングなサウンドが炸裂した。

 

 

 

 

When I was just a little boy〜♪

You know my one and only joy

Was listening to the good old

Rock’n’roll♪

 

 

 

 

お客もコンパニオンもあっけにとられるのもつかの間

少しずつソファーから立ち上がり

ダンスフロアに集まってきた。

 

 

 

 

あっちの座席もこっちの座席もコンパニオンがお客の手を取り

フロアで踊ろうよと促している。

 

 

 

 

しだいにステージ前のフロアはお客とコンパニオンのダンスで少しずつ埋まってきた。

 

 

 

更に煽るようにネオン管の光の速度があがる。

 

 

青や赤やオレンジの極彩色の光のシャワーが場内に降り注がれる。

 

 

最初出演交渉した時にどこの馬の骨?という顔をしていた石田マネージャーも、

今ではバンドを盛り上げようと

ド派手な照明で演出の腕を振るっていた。

 

 

 

ワンツースリーフォー!

ギャーンギャーンギャーン♪

 

Oh baby!たまらない

足りないお前に首ったけ

おいらを愛してくれるなら

なんでもお前の意のままに

なんでもお前の意のままに♪

 

 

バンドも切れ目なくたたみかけた。

 

 

 

フロアはあっという間にいっぱいになりダンスのるつぼと化した。

 

 

 

音と光の応酬。

ストロボ、フラッシュ、レーザー光線

が、

時折演出で暗くなる場内にド派手に飛び交う。

 

 

 

大型ディスコに勝るとも劣らない光の演出は

キャバレー業界の中でも群を抜いていたと思う。

 

 

 

そのうち2階からもゾロゾロと螺旋階段を降りてきて

 

連日超満員のお客がダンスフロアに集結し踊りまくった。

 

 

 

 

僕らも演奏しながら初めて見る光景に興奮を覚えずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

約25分くらいのステージの終わりにはボサノバ風なラストテーマ曲で

お辞儀をしながら緞帳がゆっくりと閉じられていく。

 

 

 

 

 

閉じられた緞帳の向こうで

場つなぎのBGMに切り替わった。

 

 

 

 

 

5人のナイスガイ達はひな壇の真ん中の階段を登り

爽やかな笑顔と軽やかな足取りで楽屋へ戻った。

 

 

 

 

 

「凄かったな〜」

 

「ウケ良かったな〜」

 

「おー、コンパニオンと目が合いっぱなしやったぞ」

 

「そりゃナイスガイやけんな」

 

「ドキがムネムネしたばい」

 

「呑み行くやろ?もちろんやろ?」

 

「1日6ステージやけん

あと5ステージ終わってからな〜」

 

 

 

 

最初の記念すべき初ステージが終わった達成感に

 

みんなのテンションは急上昇していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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