Help!
『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』に続くビートルズ主演映画第2弾
『ヘルプ!4人はアイドル』のサントラ主題歌であり
1965年リリースの10thシングル曲
ヘルプ!
リードヴォーカルをとり、実質的にもジョン・レノン作のこのヘルプ!は
英米ともにチャート首位を獲得。
キャッチーなメロディ、そして喜びが溢れ出らんばかりの曲調&サウンドとは裏腹に
歌詞では
昔、僕が今よりずっと若かった頃は
何をするにも誰かに助けを求めたことなんてなかったのに
でも、それももう昔の事、今の僕は自信を失いかけていて
気がついたら気持ちが変わり、心の扉を開いていたんだ
<ヘルプ!訳詞より>
デビューからスターダムにのし上がり、ビートルズ人気も絶頂の中、
過熱していく人気と共に、ツアーやアルバム制作、TV、映画出演等、
考えられないほどの過密なスケジュールをこなしていく仕事のペースに
ジョンは疲れていたのでした。
「ヘルプを作った時、僕は本当に助けを求めて叫んでいたんだよ。“太ったエルヴィス”時代だった。完全に自分を見失っていたね。」とジョンはインタビューで語ってます。
今までのラブソングから内省的な歌詞へと変化したこの時期に作られたこのヘルプ!は
自分の内面をさらけ出し、助けを求めて叫んだジョンの心からのメッセージソングだったのです。
Girl
中期ビートルズ時代の幕開けを思わせる
1965年リリース6thアルバム『ラバー・ソウル』よりレノン=マッカートニー作
ガール
その「Girl」という曲タイトルも「Help」と同じくビートルズ曲の中では最も短い曲タイトルのひとつ。
当時のビートルズ、1年に2枚のアルバム制作ノルマで忙しくて
タイトル決めは「やっつけか?」とも思ったりもしますが(^^;;
あえてその短くシンプルなのもどこか 神秘的。
楽器のイントロもなくいきなりジョンが歌い出すインパクトもそうだし
曲調といい
全体にけだるい歌い方だったり
スーーーーーッと、長いブレス音(=息つぎ)が入っていたり
この曲「ガール」の、どこか神秘的なムードに惹かれてしまいます。
彼女は友達がいる前でも平気で
自分の恋人を差し置いた振るまいをする
彼女、ちょっとおかしいんじゃないかと思うほどだ
<ガール 訳詞参照>
この詩の中での
男を翻弄する小悪魔的な女の子、ガール。
そのガールとは「まだ見ぬヨーコのことだった」とジョンは告白し、
また、ジョンがソロになってリリースした曲【ウーマン】は「1980年版のガールだよ」とジョンは語っています。
Paperback Writer
1966年リリース12thオリジナルシングル曲
実質的にポール・マッカートニーの作品
ペイパーバック・ライター
リードヴォーカルもポールのこの曲、
ディストーションの効いたギターリフからのリンゴ・スターのヘヴィーなドラムが好き。
リンゴならではの「間」がまた気持ちいいですね。
そしてポールのリッケンバッカー・ベースがもうエネルギッシュ。
初めてラウド・スピーカーを導入し録音した曲である。
ベースの音圧をMAXに上げ、ベースライン(低音)がはっきり聴こえる音の作りになり
それ以降ベース・ギターがビートルズサウンドの中核となった。
< Wikipediaより>
サウンド面で変革があり、また歌詞では
担当の方々
僕の本を読んでくれますか?
何年もかけてこの本を書きました
<ペイパーバックライター訳詞より>
と、手紙風に切り出す手法。
出版社に売り込んで作家になりたがっている作家志望の男の歌で
ポールが今までのラブソングから題材を広げた意欲作。
歌詞もサウンドも革新的な一曲ですね。
メンバーが幼い頃に聴き慣れた「フランスの童謡」をバックコーラスにしのばせる遊びゴコロも忘れてません。
And Your Bird Can Sing
1966年リリース7thアルバム『リボルバー』よりジョン・レノン作
アンド・ユア・バード・キャン・シング
ドライブ感溢れるツインリードギターが印象的な曲ですが
コンサートで演奏される事はありませんでした。
というのも、『リボルバー』レコーディング前後のこの時期、ビートルズはライブ活動を休止。
ライブバンドからレコーディングバンドへ、
アイドル・バンドからスタジオ・アーティストへの分岐点となるのです。
君は欲しいものは
何でも持ってるっていうよね
君の鳥も歌を歌えるって
でも僕を手に入れていない
僕をつかまえてはいないよ
ジョン独特の意味深な歌詞
マネージャーのブライアン・エプスタインへの皮肉という説も。
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