ドッサウェイ☆ Like A Rolling Stone

回顧ヒストリー 28 オーディションスタート

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僕ら4人は原楽器のスタジオを出て

思案橋通りへと歩いていた。

 

今からオーディションを受けるキャバレーモモタローへ

胸をときめかせ、意気揚々に歩いた。

 

 

 

よしよし、予定通りだ。

 

キャバレーモモタローに出演決定となったら

本格的にヒストリーの幕開けだな。

 

 

もう受かったものと決めつけ

これから先の活動のことを勝手に画策していた。

 

 

 

矢沢もこんな気持ちだったのかな・・

 

 

矢沢も昔は蒲田のキャバレーウラシマに出てたんだ。

 

ビートルズだってハンブルグでの下積み時代があったはずだ。

 

 

 

今回のオーディションの話は

バンドで成りあがるための

チャンスを掴んだ気持ちだった。

 

 

僕自身、BURNで文化祭初ライブをし、

「成りあがり」読んで高校辞め

ジュリエットを経て

グランドクロス、アイアン●ニス

いろいろ経験し、

 

今、ようやく

ハタチそこそこで

バンドで毎日演奏できるかもしれないチャンスに辿り着いた。

 

 

そうさ、バンドというのは最初はライブの毎日の下積みから始まるんだ。

 

ライブもせずにスタジオで練習ばかりはもうゴメンだ。

 

ライブにまで発展しないグランドクロスのM木とは

自然にフェイドアウトしていた。

 

 

人前でやらんと。

 

 

 

とにかく人前でやってナンボだからな。

 

 

もうオーディションに受かるものとばかりに

思い込みが先走る。

 

 

さあ、ヒストリーの幕開けじゃー!

 

 

 

いよいよキャバレーニューモモタロー到着。

 

ときめきは加速する一方だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

オーディション スタート

 

営業前のキャバレーニューモモタロー。

まだ照明のついていない薄暗い店内へ入り

マネージャーと長崎支店長の2人に

奥のステージへと案内された。

 

 

セッティングが整った頃

先日マンドンさんと楽しく乾杯しまくったソファー席の並ぶ一番前の赤いソファーに

マネージャーと長崎支店長の2人の男らはドデーンと座り

あまり期待もしてなさそうな顔して腕組をしていた。

 

 

「じゃ どーぞ」

 

テンションの低いGOサインが出される。

 

オーディションスタートだ。

 

 

 

 

 

キャラララ ララララ

キャラララ ララララ

キャラララ キャラララ・・

 

バスドラムと今井のギターが

営業前の薄暗いキャバレーに鳴り響く。

 

 

When I was just a  little boy〜♪

 

You know my one and only joy

 

Was listening to the Good Old Rock’n’Roll〜♪

 

 

 

一曲目から勢いよく「グッドオールドロックンロール」。

 

 

義人もめっちゃノッてるし

バンドもサイコー!

つかみはオッケーだな!

 

 

 

しかし、

マネージャー達は無表情のままだ。

 

 

 

立て続けに次の曲。

ワンツースリーフォー!

 

 

 

 

♪Oh baby たまらない

たりないお前に首ったけ

オイラを愛してくれるなら

なんでもお前の意のままに

なんでもお前の意のままに♪

 

 

 

 

「フールフォーユー」が終わる頃

 

ドヤ顔チックに

 

マネージャーの方を見てみるが

 

ピクリとも表情を動かさない。

 

 

 

「・・・。」

 

 

 

 

そこへ

 

 

「次の曲・・、つ、つ・・」

 

 

 

 

 

 

「次、行くぞ」

 

 

と正樹。

 

 

 

林田正樹、またの名、

 

ゴールデン林田の口から発せられる

 

「次、行くぞ」の号令は

 

この頃から誰も逆らえない(汗)

 

 

 

 

オッケー!ワンツースリーフォー

 

 

チャ〜ン チャラララ ラ〜ン

チャラララ ラ〜ン♪

 

 

メロディアスに歌うギターを今井が奏でる

 

チャラララ チャッ チャチャ〜

チャ〜 ラララ〜ン♪

 

 

♪初めて君を見つけて Oh yeah〜

毎日 思い焦がれて crying day

まだ 何も知らないけれど

Woh Woh Woh Woh

今日から僕の恋人〜♪

 

 

 

ワイルドだけど切ない義人の声にピシャリとハマる「ハニーラブ」が終わる頃

 

 

マネージャー達の閉じられた口から

 

 

ようやく沈黙が破られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・あ、あ、あしたから来てくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・