ドッサウェイ☆ Like A Rolling Stone

回顧ヒストリー➓

 

 

 

ガラスの向こうは

何も見えない闇だぜ〜

なにかを見つけに行くんだ〜♪  (byサブウェイ特急)

 

 

計画なんて漠然としか考えてなかったが

 

 

とにかくバンド作ってキャバレーでもどこでもいいからひとまずライブ活動がやれればと思っていた。

 

とにかく何かしらの行動をしたかった。

 

一歩でも前に進みたかった。

 

前回の家出で経験したように、

自分の運命を自分の手で

切り開いていっているという実感を

魂が欲していた。

 

 

♪あきらめた顔のまま老いぼれてしまうのかい〜汗も流さないで〜♪ (by鎖を引きちぎれ)

 

 

 

 

 

心の中でいつも矢沢の歌詞がリフレインする。

 

 
♪男だったら鎖を引きちぎれ♪

 

 

矢沢は高校だけは卒業したのに

 

無謀といえば無謀過ぎたのかもしれないが

 

僕は高校卒業するまで待ちきれなかった。

 

 

 

考えに考えた末

 

ついに、高校生活とお別れする決断をし、

 

今度はひとり

 

長距離バス九州号に飛び乗り、

 

再び福岡を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

最終的に東京へと行く前に

福岡という都会で試してみたかった。

 

 

前回のように、住み込み付きの土木作業から始めれば

とりあえずは最低限生きて行けるだろうし、

 

 

矢沢も最初はそうやって苦労しながら成り上がったんだ。

 

それからメンバー探しをしたり、
ライブしながら出会いを求めていけば

 

なんとかなるだろうと

 

ここでも「勝手な思い込み」が頭の中を支配していた。

 

 

 

 

 

 

 

寒い季節だった。

 

前回と同じ、別の住み込み付き土木作業に従事する日々

 

男の臭いが充満したタコ部屋で目覚める朝

うす汚れた作業服に着替え

事務所の前にある

ドラム缶に薪をくべて燃え上がる火の回りに

白い息を吐きながら暖をとりに集まるオヤジたちと

現場指定されるのを待つ。

 

 

それでも心は希望に満ち溢れていた。

 

 

来る日も来る日もトラックに揺られながら

音楽をやって行くにはどうしたらいいか常に考えていた。

 

 

現場に到着し

朝のラジオ体操ののち

ヘルメットよし、安全帯よし

今日も一日、安全第一で行こう!

おー、

と朝っぱらから気合は入らないが

 

夢だけはキラキラ輝いていた。

 

 

 

♪魂のシャベルで金を掘り起こせ〜♪

 

と、

来る日も来る日も、作業で汗水流すのだが

 

ひと月、ふた月と過ぎた頃

 

なんで俺は、こんなことで汗水流しているんだろう?

 

 

俺は何のために福岡に来たんだ?

 

 

俺は音楽のために来たんじゃなかったのか?

 

 

毎日、クタクタに働かされ

 

 

残業、残業でいっこうに音楽の活動には手が届かない。

 

 

 

 

思い描いた通りにいかない現実に苛立ちが募っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・